フィト(植物)が導く
健やかな暮らし

フィトテラピーという言葉に馴染みはなくても、漢方薬に植物の茎や葉を利用していたり、日本でも民間療法としてヨモギやドクダミを煎じて飲んだり、植物の力を昔から活用していることは知るところでしょう。

そんな植物=フィトで、体の調子を整える療法を「フィトテラピー」といいます。

\教えてくれるのは/
中谷 佐和子先生
日本のフィトテラピー第一人者、森田敦子主宰のルボアフィトテラピースクールに入学。薬草学と心と体のメカニズムを包括的に深く学ぶ。
AMPP認定植物療法士の資格を取得し、セミナーやワークショップを通じて、フィトテラピーの魅力を広く伝えている。

\教えてくれるのは/
中谷 佐和子先生

日本のフィトテラピー第一人者、森田敦子主宰のルボアフィトテラピースクールに入学。薬草学と心と体のメカニズムを包括的に深く学ぶ。
AMPP認定植物療法士の資格を取得し、セミナーやワークショップを通じて、フィトテラピーの魅力を広く伝えている。

フランスの薬草専門店
「エルボリストリー」

フィトテラピーが生活に根付いている国、フランス。祖母から母へ、母から娘へと受け継がれてきた薬草の知識は、広く生活に役立てられています。例えば、風邪をひいたかなと思ったらエルダーフラワーを煎じたり、キッチンで軽いやけどを負ったならラベンダーの精油をひと塗り。

また、フランスには、薬用植物を扱う「エルボリストリー」という専門店があり、エルボリストといわれる薬剤師がひとりひとりにあった植物を処方してくれます。最近では、薬理作用について専門的な研究が進んだことで、植物の力が科学的にも裏付けされています。

おばあちゃんの知恵にも植物の力

日本でも昔から植物の力を活用してきました。例えば、はとむぎはいぼに効くというのはよく知られていますし、体を温めるためにしょうがを食べるなど、知らず知らずに私たちも植物を活用してきているのです。そうそう、日本ではやけどをしたら、アロエの皮をむいて果肉をはるといいといわれていますよね

また、風邪のひきはじめに、梅干しをいれた番茶を飲むといいと聞いたことはありませんか?梅醤番茶は、フィトテラピーのテキストにもレシピがのっている、ちょっとした不調に万能な飲み物です。

\ちょっとした不調な時にオススメの飲み物/

\ちょっとした不調な時にオススメの飲み物/

梅醤番茶(うめしょうばんちゃ)
【作り方】
1.梅干し1個をカップに入れる。
2.醤油1~2滴、あればショウガのおろし汁を加える。
3.梅干しをほぐし、熱い番茶を注ぐ。
4.軽くかきまぜ、熱いうちにいただく。

植物療法士の一日

植物療法士の一日

朝起きたら
一杯のティザンヌを

ここからは、私がどのように植物を生活に取り入れているかお話しましょう。朝はその日の体調や気分にあわせて、ティザンヌ(ハーブティ)をいれます。ブレンドされたハーブティも出回っていますが、私は、シングルハーブの茶葉をそろえておいて、自分でブレンドします。

今朝は、そろそろ日中の日差しも強くなってきたので、紫外線対策のティザンヌをブレンドしました。ビタミンCの爆弾といわれるローズヒップ、ミネラルが豊富なスギナとネトルをそれぞれスプーン1杯程度ティーポットにいれて、10分蒸らしてからいただきます。スキンケアなど外側からのケアだけでなく、内側からのケアもとても大事です。

手作りのびわの葉の
ローションでお手入れ

びわの葉が入手できたので、焼酎につけて手作りのびわの葉エキスを作ってみました。それと、ラベンダーの芳香蒸留水(熱したハーブの蒸気を冷やして得られた水)をあわせて、化粧水として使っています。口に入っても心配ないほどシンプルな材料で作っているので、使っていても心地がよいのです。

バスタイムには
お手製のハーブソルトを

精油(植物から抽出した芳香成分)とオーガニックのドライハーブ、ヒマラヤ岩塩をまぜて、バスソルトを作りました。美肌効果のある精油を使ったので、入浴後には肌がしっとり。小さな子供といっしょでも安心して入浴できるのもうれしいポイントです。

一日の終わりに
精油でオイルマッサージ

疲れて帰った日には、浮腫み用のオイルで足をマッサージします。今日のブレンドは、ホホバオイルをベースに、ローズマリーシネオール、サイプレス、パチュリ、ゆずの精油をブレンドしました。植物の香りに癒されて、とてもリラックスできます。マッサージ後には、血流もよくなり浮腫みがすっきりします。

自分のことを
いちばん大切にして生きる

私はいま子育て中なので、自分のことより子供、家族のことを優先しがち。そんなとき、フィトテラピーのスクールで、講師の方から、「愛のコーヒーカップの法則」という話を聞きました。まずは自分のカップに愛をいっぱい注ぐこと。自分のカップが空っぽの状態では、家族やまわりの方を癒すことはできませんよ、と。

それからは、まずは自分に愛情を向けること、自分を癒すことを優先すること、自分の体調に敏感になることを心がけています。自分のためにゆっくり時間をかけていれたお茶を飲むだけでも、愛のカップが満たされた気分になりますよ。植物の力を取り入れながら、自分を大切に、毎日健やかな生活を送りたいものですね。

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